Webマーケティング入門編その3

ホームページ公開後が本当のスタート

ホームページは、「公開後にどう運用するか?」を想定してプランニングする必要があります。記事の更新はどれくらいの頻度で行うのか、担当者は誰なのか、想定と異なっていた時どのように修正するのか、集客予算は月にいくらまでかけられるのか…考えることはたくさんあります。

星の数ほどホームページがある中で、ただ黙っていても見込み客が集まることはありえません。最も重要になるのが集客の計画です。ホームページ単体だけではなく、他のツールを組み合わせることで集客効果を高めていきましょう。

SEOとリスティング広告

ホームページの集客手段といえば、SEO(検索エンジン最適化)を思い浮かべる人が多いようです。検索エンジンの表示順位を上げることで、流入を増やすという考え方は、いっけん正しいように思えます。しかし、人為的に大量のリンクを張ることで順位を上げる手法は、検索エンジンからペナルティを受ける可能性が高くなりました。また、予算と手間、時間をかけて、あるキーワードの順位が上がったとしても、そのキーワードには需要がなかったとか、売上につながらないキーワードだったということも起こり得ます。

運営初期の段階では、リスティング広告(キーワードに対して出稿するクリック課金型広告)の活用を視野に入れましょう。リスティング広告では、クリックされた広告がどれくらいコンバージョンに繋がったかをデータで取得することができます。データから「売れるキーワード」を見つけ出し、それからSEOを考えても遅くはありません。

具体的には、ランディングページを作り、リスティング広告を出稿してコンバージョン率を計測するのが第一歩。次のステップで、ランディングページの最適化と売れるキーワードの選択を進めます。売れるキーワードが見つかったら、サイト全体の構成をそのキーワードに最適化してリニューアルします。理想的にはこのような手順になるはずです。

いますぐ始めたいブログ

重要な集客手段の一つがブログです。TwitterやFacebookでは替えられない、長文で見込み客にしっかりと情報を伝えられるメディアです。一説によると、ブログが集客効果を持ちはじめるのは100記事を超えてから、あるいは200〜300記事からという人もいます。仮に毎日更新したとして、3か月から半年ぐらいは必要なのです。そうすると、今すぐ始めるのが得策なのです。

頻繁に更新することで、純粋に読者が増えることが期待できますが、その他にも記事数を増やすメリットがいくつかあります。一つは、ページ数が増えることでSEO効果が期待できること。ホームページ全体のページ数が、検索表示順位に関係するといわれています。そして、記事数が多いほど、想定外のキーワードで検索する来訪者が増えていきます(ロングテールSEO)。

もう一つは、書きためた記事を別の形で再利用できることです。例えば、記事をまとめてPDF化し、無料配布することで見込み客のアドレスを収集することができます。小冊子として印刷し、請求してもらうことで氏名や住所まで収集することもできるでしょう。ブログを集客資産としてとらえることで、モチベーションをアップさせましょう。

メルマガは最強のマーケティングツール

迷惑メールの氾濫と質の低いメールマガジンの乱発により、「メルマガの時代はもう終わった」といわれるようになりました。しかし、ネットで成果を上げている企業の多くは、メルマガを有効に活用しています。一度登録さえしてもらえば、こちらから見込み客にアプローチできる唯一の手段がメルマガなのです。

メルマガの目的は大きく分けて二つ。一つは見込み客を顧客に育てること。商品の情報を継続して届けることで、興味・関心を少しずつ育てていきます。この目的には、場合によってステップメール(あらかじめ指定したメールを1号から順番に届けていく形式)を利用するのもよいでしょう。

もう一つの目的は、既存顧客の流出防止とリピーター化です。単純接触効果(ザイオンス効果)といって、人間には接触回数が多いほど相手によい感情をもちやすいという心理があります。一度購入してくれても、次も買ってくれるとは限りませんから、何かの時に「思い出してもらう」ために、アプローチを続ける必要があるのです。

見込み客向けのメルマガと既存顧客向けのメルマガでは内容を変えたほうが理想的です。しかし、限られた時間内で複数のメルマガを発行することは、最初のうちは難しいと思います。慣れるまでは1種類だけでかまわないので、ある程度の頻度(例えば週1回)で発行するのが望ましいでしょう。

ネットマーケティングの黄金パターン

ここまで説明してきたツールを連携することで大きな効果を発揮します。これはネットマーケティングの鉄則ともいえる、ほぼどの業種でも使える黄金パターンです。下記にまとめてみました。

  1. リスティング広告やブログを入り口にして、ランディングページにアクセスを集める
  2. ランディングページでは、無料レポート配布や低価格サンプル商品の販売でメールアドレスを収集することを目的とする
  3. 収集したメールアドレスに商品の情報を継続して届け、興味・関心、購買意欲を育てる
  4. メルマガを通じて本来売りたい商品のランディングページに誘導し、購入してもらう
  5. 引き続きメルマガを配信し、リピート購入を促す

成功している企業の黄金パターンであるにもかかわらず、わずかな手間を惜しんで、これができていない会社が多いのが実状です。ぜひ、成功をめざして取り組んで下さい。