Webマーケティング入門編その2
USPの構築
いよいよ、ホームページ作成の中身に入っていきます。ホームページで打ち出していくメッセージの基本として、USP(ユニーク・セリング・プロポジション=独自な「売り」の提案)を構築していきます。私が考えるUSPの条件は、次の3つです。
- 独自であること。または他社が打ち出していないこと。
- 売ることができる=市場が求めていること。
- わかりやすく魅力的なメッセージであること。
独自であるかどうかは、競合他社を徹底的にリサーチしなければわかりません。ユーザーが容易に複数の候補を比較できるのが、インターネットの特性です。ユーザー目線でネット調査することによって、差別化できる点を発見できるはずです。
また、過去の顧客を持っている場合は「お客様の声」を収集することが不可欠です。商品の提供側が考えるメリットと、お客様が感じるベネフィット(便益)が異なっていることがよくあります。顧客の声から「強み」を発見しましょう。
理想の顧客像を見つけ出す
メッセージを打ち出していくとき、ターゲットとなる顧客像を絞り込めば絞り込むほど、「刺さる」表現になっていきます。「20代・男性・サラリーマン」「30代・女性・主婦」のようなターゲティングでは、絞り込んだことになりません。「ただ一人のお客様」まで顧客像を絞り込むのがポイントです。
すでに顧客がいる場合、その中からもっとも理想に近いお客様を一人選び出し、ターゲットユーザーの代表とします。キャッチコピーやテキスト、デザインやカラーなど、ホームページの全ての表現は、そのお客様に「響く」表現になっているかチェックします。これで、ターゲットがブレたり、表現に迷ったりすることがなくなります。
もし、新規立ち上げで顧客がいないとか、過去の顧客には理想的なターゲットが見つからないという場合は、ペルソナマーケティングという手法が参考になります。氏名、顔写真、職業、年収、性格、ライフスタイルなど、架空の人物像(ペルソナ)を作り上げ、ターゲットユーザーとする方法です。もし必要があったら、ペルソナマーケティングについて調べてみるとヒントが見つかると思います。
ランディングページの活用
ここでホームページの制作に入ってもよいのですが、限られた予算を有効に使い失敗を避ける意味で、ランディングページの活用を検討しましょう。ランディングページとは、コンバージョンを獲得することを目的にした1ページ完結型の縦長のページのことです。
1ページだけなので、ホームページ全体をフルリニューアルするよりも低予算で作成できます。そして、内容を変更した時の効果が数値(コンバージョン率)となって表れるので、効率的に改善できます。
ホームページ全体に手を付ける前に、テストとしてランディングページを作成し、ターゲットユーザーやホームページの表現を吟味していきましょう。ランディングページで効果が出たら、そのコンセプトを引き継いで全体を作り替えていけばよいのです。