権威を利用するなら慎重に、誠実に
「宣伝会議」という広告宣伝の専門誌を出版している会社があります。今の時代ですから、当然インターネット業界も取り上げられる機会が増えました。で、先日fladictさんこと深津貴之さんがこんなツイートを。「UX強い制作会社って特集紹介するから金払って」というメールが宣伝会議から来た、と。
UX=ユーザーエクスペリエンスとは、製品やサービスによってユーザーが得る体験のことです。ユーザーの体験をどう設計・実装するかが近年は重要視されています。fladictさんといえば、ちょっと年季の入ったウェブ制作者なら知らない人はいないという方で、日本のUXデザインの第一人者のひとりと言っても過言ではないでしょう。
そんな人に、お金くれたらうまいこと宣伝してやるよって、逆に宣伝会議が金払って原稿をお願いする立場だろう? と呆れられたわけです。もしそのUX特集が掲載されたら、取り上げられた会社は「ああ、お金払ったんだ」と思われますし、完全に逆宣伝です。広告宣伝の専門家集団のはずが、やってることはこんなものかと。レベルの低さを露呈してしまいました。
今回は宣伝会議が自身の権威性を過信したために、より上位の権威からフルボッコにされた事例。「権威」を利用した広告宣伝って、とても効果的なんですが。有名人や専門家を有料で起用する、メディア掲載のためにお金を払う、どちらも否定はしませんけれども。悪用は厳禁です。